福島県民が、ふくしまのことを自ら綴るお手伝い(自分史講座のご案内)

いま、なぜ「福島県に自分史が必要」なのか

東日本大震災、および福島第一原子力発電所の事故により、福島県はたくさんのものを失いました。その一つが「言葉」だったと思います。私はフリーライターとして震災に関する取材をしてきましたが、言葉を失った人々からは、取材に応じていただけませんでした。

震災から4年経ち、福島県の景色もかわりつつります。人々の心も同じです。まだ言葉を失い、うずくまっているままの人もいますが、震災の経験を糧に、前に向かって進む方の姿も多く見られるようになりました。私は「震災という経験」をのちの世に伝えることで、私たちと同じような思いをしないように。また同じ出来事が起きないように、伝えていく義務があると考えています。

伝え方は一つではありません。津波による災害が多かった地域に伝わる口説のように、親から子へ、祖父母から孫へ、口伝えで伝えていく方法もあるでしょう。ビデオや写真に残すのもいいかもしれません。伝えていく人にあった方法をアドバイスできる技術はないだろうか。そう考えていたときに出会ったのが 一般社団法人 自分史活用推進協議会が主催する「自分史活用アドバイザー」という資格でした。

自分史は1975年(昭和50年)に、歴史学者色川大吉氏が「ある昭和史-自分史の試み」を出版。戦後に民衆の生活を記録しようという機運が起き、それが戦後の平和運動と一緒になって「戦争体験を記録しておこう」という運動がおきたことから始まりました。1999年(平成11年)、愛知県春日井市に日本自分史センターが開設され、福島県にも支部がありました。しかし戦争体験世代の高齢化に伴い、自分史ブームも一時期の盛り上がりがなくなりました。会員の高齢化により、福島県にあった支部も現在は解散しています。

自分たちの思いや経験を、子どもや孫たちに伝える 子どもたちの生きる糧につながる自分史

たとえば震災の体験を、多くの方に語ることで多くの人に知っていただくことは大切です。でも自分の体験をたくさんの人に語りたくない人もいるでしょう。自分が伝えたい人だけに、自分の体験や思いを知って欲しい。そんな人のために自分史は存在します。また自分のことを振り返り、まとめていく過程で、今まで眠っていた自分の思いに気づくことがあります。それもまた、自分史のよさです。

自分史で福島県を元気に!

近年のITの普及により、文章を綴ることや記録に残すことのハードルがぐっと低くなっています。その中で必要なのは、自分史の大切さを気づかせてくれる人の存在と、自分史を作成する人の年齢や嗜好にあった道具を用意することだと思います。私は現代社会にふさわしい、いくつかの切り口で、再度自分史を盛り上げ、ふくしまの人々の心の復興のお手伝いをさせていただけたらと考えています。