福島の女性たちの物語
2011年3月11日を境にして、福島県に住む人たちの生活は確かに変わった。
あの時から、今までと同じ日常の続きを歩いている人は一人としていない。
ある人は「避難」という形で、またある人は「風評」という形で、
たとえ、その時間の長さに違いはあっても
今まで思い描いていなかった人生を歩くことになった。
しかし、それでも人は生きている。
この世に生を受けた以上、生き続けなければならない。
今、ほとんどの男性は生活の糧を得るために働いている。
あるいは、社会の仕組みにより、そうならざるを得ない。
それに対して女性の生きる道は様々だ。
子どもの成長、あるいは親たちの介護に、
多くの女性たちは家族を支えながら生きている。
もちろん一家の大黒柱もいる。
女性たちの多様な生き方と同様に、
震災という逆境に立ち向かう姿も様々である。
時に打ちひしがれ、時に涙を流しても
次の日には笑い、日々の生活を営んでいく女性たち。
私は福島県に住む一人の女として、
果敢に生きていく女性たちの姿を追っていきたい。
そして福島県の女性たちの姿を、みなさんにお伝えしたい。
武田 よしえ