カブトムシ自然観察園 平成25年度オープニングセレモニー(1)

田村市内の園児たちを迎え、待望のオープニングセレモニー開催

7月12日、こどもの国ムシムシランド「カブトムシ自然観察園」内で、

平成25年度のカブトムシ自然観察園のオープニングセレモニーが開催された。

田村市にある公立の幼稚園、こども園、保育所計8園の5歳児168名と引率の先生21名は、早い園では9時過ぎにはバスで到着。先生の誘導で自然観察園に入ると、10時からはじまるセレモニーを待った。

 

セレモニーでは、冨塚田村市市長があいさつ。「全国に『田村市負けてないぞ、負けてたまるか』ということを、みなさんの力で全国に訴えてください」と話すと、すかさず元気な声で「はい」と返事をする園児たち。

続いて常葉幼稚園の園児らが

「田村市常葉町には、カブトムシがたくさんいるよ。全国のお友達、カブトムシに会いに来てね。待ってまーす」

とテレビカメラに向かって言うと、園内に拍手が起こる。

 

市長や来賓と共に、滝根幼稚園 ひまわり組 木村海音(きむらかいと)君ら、各園代表の8人の園児が一緒にテープカット。会場の雰囲気を盛り上げた。

カゴの中の640(ムシ)匹を、園児らが放す。モゾモゾと出てくるカブトムシ。園内に設けたカブトムシのエサ台のゼリーにすいつくのもいる。なれてくると園内を飛ぶ虫も。

 

「うおぅ、見て」「飛んだ、飛んだ」口々に上がる歓声。カブトムシを怖がる子どもは誰もいない。「木にもいるよ」「クワガタがいないね」縦20メートル、横20メートルの網に覆われたドーム内は、子供たちの歓声でいっぱいだ。

田村市常葉町は、全国有数の葉タバコの産地である。葉タバコの肥料となる腐葉土の中にカブトムシが飛んできて卵を産む。このカブトムシを軸としたまちおこし事業として、旧常葉町が1988年6月4日に「カブトムシ自然王国」として独立を宣言。現在の「こどもの国ムシムシランド」に至っている。

 

市内の園児たちを迎えてのカブトムシの放虫式も震災前までは恒例行事だった。自然観察園の開園とは別に行っている「カブトムシの幼虫観察セット」の販売にも力を入れようと、2011年は4万匹の幼虫を買った。通販用のチラシを県内と東京都の郵便局に6万枚配った。

 

その直後、東日本大震災が発生。福島第一原子力発電所の事故後1ヶ月が経ってから、ムシムシランドが建つ地域は、緊急時避難準備地域に指定され、子どもたちの受け入れは不可能になった。 (2)へ続く